Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
「あの牙彫の――」
「どうせ浜町河岸で拾った品だから、脇差へおまけにつけましたよ」
「浜町で拾った?」
「ヘエ――」
ガラッ八の話は少し変っております。――「一と月ばかり前、夜釣に行った帰り、白々明けの浜町河岸に船を着けたことがありました。そのとき自分の船より一と足先に岸へ漕ぎ寄せた伝馬が、炭俵と米俵を二十五六俵陸へ揚げて、サッサと大川を漕ぎ戻ったのを見ていると、足元の石垣の上に、牙彫の円いものが一つ、危うく水に落ちそうに引っ掛っていた」――というのです。
拾って見ると、ちょうど手頃な根付で、真ん中に穴まであいておりますのが、彫刻は怪奇を極めて、唐草模様と鬼のような縮れっ毛の人間の首と、それから得体の知れない髯文字がベタ一面に彫ってあったのを、暢気なガラッ八は、自分の煙草入に付けて、そのまま腰に挟んで歩いていたのでした。
「何だ、拾ったものをそのまま腰へブラ下げていたのかい」
平次も少し呆れましたが、今に始めぬガラッ八の暢気さが、腹を立てるにしても、少し馬鹿馬鹿しかったのです。
「どうせ馬の骨か牛の骨に細工をしたものですよ。吉三郎は三拝九拝して持って行ったが、あんなものが何かになりますか、親分」