Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
「呆れた野郎だ」
平次は誰へともなくこう言いました。
「こんな事が商法になるなら、江戸中の古道具屋を漁って、安物の脇差をうんと買い集めようかと思うが、どんなもので」
「いい加減にしないか、八。吉三郎の狙ったのは、赤鰯じゃなくて牙彫の根付だったかも知れないな――とにかく、十両の金を持って行って、脇差と根付を買い戻して来るがいい」
「三日も前のことですよ、親分」
「三日前だって、三年前だっていいじゃないか」
「十両の金が、三日もあっしの手に無事でいるわけはないじゃありませんか」
「仕様のねえ野郎だ、いくら費ったんだ」
「店賃と米屋酒屋の払いと、煙草を一つと大福餅を十六文買って、一両二分と六十八文」
「いやに刻みやがったな、――お静、一両二分と六十八文、お前のところにないか」
平次はお勝手の方へ声を掛けます。
「お前さん、――そんな事を言ったって」
お静の声は口の中に消えました。差迫る大晦日を控えてここも大世話場の真っ最中だったのです。
「気のきかねえ事を言うな、何のために質屋が暖簾を掛けておくんだ。俺の着替えをそっくり持って行きゃ――」
「でも、あと三日で年始廻りじゃありませんか」