Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
三
「この正月は風邪を引くことにするよ」
「…………」
お静は黙って出て行った様子でした。
「済まねえ、親分」
ガラッ八は萎れ返って、平手で額を叩いております。
「こいつは罠だったのさ、八。これからも気をつけることだ、――なアに、お静のことなんか心配することがあるものか、こちとらの女房は、貧乏や十手には馴れっこだよ」
平次はそう言ってカラカラと笑うのでした。
三
「た、大変だ、親分」
「また大変の大安売が来やがった、――何だい、八」
十両に纏めた金を握って、浜町の吉三郎のところへ駆けて行ったはずの八五郎が、半刻(一時間)も経たないうちに、面喰らった旋風のように舞い戻って来たのでした。
「こいつは驚くぜ、親分、吉三郎が昨夜死んだんだ」
「何?」
平次もさすがに立ち上がりました。
「下手人は鉄砲汁さ」
「河豚の毒にやられたのか」
大きな失望が、平次の顔をサッと翳らせます。
「友達が三人で河豚鍋を突っつきながら、一杯やらかしているまではよかったが、その晩吉三郎が毒に中って、七転八倒の苦しみ、夜明け前に息を引取ったということですよ」
「あとの二人はどうした」
「無事だったそうで」
「誰と誰だ」