Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

「二人が無事とどうしてわかった」

「どこで噂を聞いたか、今朝お二人はあわてて飛んで来ました。御近所の衆も御存じですが、何か亭主が預かったものがあるとか言って、仏様の懐までかき廻して行きましたが――」

「それが見付かったのかい」

「そこまでは解りません」

話が次第にこんがらかって、そして微妙になって行きます。

「おや? この脇差ですよ、親分」

ガラッ八は死骸の枕許に置いてあった、魔除けの脇差を取上げました。言うまでもなく三日前にガラッ八が吉三郎に売った、十両の赤鰯丸です。

「そいつには大した用事がなかったんだよ。ところでお神さん、毒は何刻ほど経って効き始めたんだ」

「鍋が空になると、二人のお客はすぐ帰りました。それを送って出ると、上がり框で引っくり返ったきり――」

「やはり身体が痺れたんだね」

お由の声が涙に途切れるのを、平次は慰め顔に言うのでした。

「いえ、痺れもどうもしません。急に腹の中へ火が付いたようだと言って、目も当てられない苦しみをしましたが、とうとう黒血を吐いて夜明け前に息を引取りました」

「医者は?」

「町内の玄道さんに診てもらいましたが、何の役にも立ちません」