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Japanische Klassiker mit Furigana

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たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

「でも。……やはり、召使われている身では」

「人が良いにも、程がある。――忠平こそ、おぬしに、気がねしていい筈じゃないか。ええ、おい。左大臣忠平だとか、氏の長者とか、思うからいけないのだ。――紫陽花の壺に、騒動があった晩、そこの柱にくくられて、蚊に食われながら、奪られた女の行方に、ベソを掻いていたときの裸の男を思い出してみろ。――いつも、それを頭において、大臣の前へ出るがいい。するとなんでも楽にいえるだろう」

「いや。行きましょう。――主人には、なんとかいって、暇をもらい、ぜひ、同行することにします」

小次郎は、つい、約してしまった。――たびたび、馳走になったり、以後、いろいろな点で、友情もうけている純友への義理からも、その壮行に、欠けるには、忍びなかった。

あくる日。――何かの事で、忠平に召されたついでに、小次郎は、三日の休暇を、願ってみた。

すると、忠平は、言下に、

「そんな事は、家司の臣賀にでもいえ」

と、ひどく不機嫌に、いい放った。

小次郎は、顔を赤くしたまま、平伏をつづけてしまった。嘘が、出ないのである。考えていた口実が、にわかに、口へ出て来ない。