Japanische Klassiker mit Furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme
おれも、二十九だからな。長い間、留守にして、おまえ達にも、いろいろ苦労が多かったにちがいない。――が、帰って来たぞ。これからは、共に働いて、父の遺した領野を拓き、仲よく家門の繁栄に努めようぞ。よく、みな揃って、元気でいてくれた。将頼も、将平も、すっかり成人して、見ちがえる程だよ。よかったなあ」
――ありがたいありがたいと、彼は、しきりにいうのである。何へ向ってでもない。ただいッぱいな感謝だった。一人一人の肩を抱き、手を握り、瞼からあふれる涙も知らずにいる。
ほかの、出迎えは、家人たちである。叔父共の顔は一つも見えなかった。人々が曳いて来た馬の背に乗り、弟たちに口輪を把られ、幸福の門へ迎えられたように、小次郎は、その日、自分の生れた家、すなわち、豊田の館へ、着いたのである。
部落の民も、この日は、業を休んで、
「館の御子が、成人して、都から帰られたそうな」
と、祝いあっていた。古い巨大な門の外には、郷の老幼が、むらがって、内を覗き込んでいる。媼や田老が、餅だの、麺類など、献上に来るし――まるで、祭の日みたいだ。古雅な太鼓や笛の音も、どこかで、している。