Japanische Klassiker mit Furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme
嬲り者にして、怒らしても始まらぬ」
「ですが、いちどは、首の根をとっちめておいた方がいいと思うな。……くせになる」
「ま。それもあるが、それにしても」
「きのう、河原畑で、将門の奴僕と、わが家の家人とが、喧嘩の果て、それに怒って、彼自身、ここまでやって来たところをみると、まだ以前の所領地にこだわって、おれ共の処置を、ふかく、遺恨にしているにちがいない」
「その執着は、一朝には、抜けまいよ。手をかえ品をかえ、気長に、諦めさすにかぎる」
「あなたは、よくそういわれるが、将門も、今では、むかしの鼻たらしとちがい、都のかぜにも吹かれて来て、理屈の一つも覚えたろうし、ごまかしのきく年でもない。――力で抑えつけるに限りますよ。ぐわんと、一度、こちら側の、力のほどを、思い知らしておかぬことには」
廊の端に、足音がした。二人は、眼まぜと共に、むずかしい顔を作って、口をつぐんだ。
将門は、ぬっと、室の外に立った。そして、叔父たちの視線に視線をもってこたえた。しかし、努めるように和ませて、
「お邪魔します」と、一隅に坐った。
将門を案内して来た家人たちは、付け人みたいに、彼の背をにらまえたまま、廊の間にかしこまっていた。