Japanische Klassiker mit Furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme
家人から聞くと、昼も、その玉虫の局に、将門が、話しこんでいたというし、今も、局を覗いてみると、玉虫の姿が見えない。そして、ここのこの有様なのである。
将門も、都にいたのだし、その将門のすがたを、江口の遊里で、見かけたこともあるというはなしを――かつて、貞盛から、聞いてもいたので、良兼は、初老の男の駆られやすい、ひがみと嫉妬に、むらっと、燃えた。しかし、それをすぐ口に出して、安直な気やすめを急ぐような彼でもなかった。
「何しているのだ、こんな所で。……また、良正と二人して、そなたの琵琶でも聞こうと思うて、さっきから探させていたのに」
「…………」
玉虫も、くすぐったそうに、笑うだけで、すみませんとも、いいはしない。彼女には充分彼女の自信みたいなものがあり、おいやならいつでも都へ帰ります、というのが口ぐせなのである。
「おいっ。どこへ行くのだ、どこへ」
さっさと、彼女が、ひとりして、先に、歩き出したので、良兼が、追いかけるように、いうと、玉虫は、投げやりに、うしろへ答えた。
「だって、女には、お化粧がありますのよ。こんな恰好で琵琶をひけの、また、舞えのといっても、ごむりでしょう」