Japanische Klassiker mit Furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme
遠い昔には、望むところの家の娘を、聟と、聟の一族が行って、掠め奪って来るのが婚礼であった習慣もあるやには聞いておりますが」
「それも、先方の望みだから仕方がない。おれには、桔梗どのの親共の苦しい気もちは充分にわかっているのだ。そして、お前たちにも、その苦しみが、やがては、累をなして行くことも惧れている。……だが、あきらめられないのだ。おれは……この兄は」
将門は、指で髪を掻きあげた。その手は、いつまで、髪の根をつかんだまま、彼らしくもない溜め息になっていた。
将頼にも将平にも、ふかい事情はわからない。ただ、兄の恋が、四年ごし、胸の中におかれていたことだけは知っている。そして、その兄が、酒興ではなく、大勢のまえで、こう苦悶するのを見、何でわれわれに否やがあろう、と一せいに、兄の恋を励ますような眉色をたたえた。
家人郎党たちにしろ、それは、ここで更に祝杯を重ねてもいい程な思いこそあれ、異議のあるべきはずはない。やがて、異口同音に、
「吉事は早くこそ。花に雨、月に雲のたとえもありますぞ」
と、凱歌のようにいい囃した。
一族の者に、そう祝福され、励まされて、将門も、いよいよ臍をかためたらしく、