Japanische Klassiker mit Furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme
しかも、この襲撃で、源護の大串の館をも、焼き払い、そのさい、遂に、護の嫡子扶も、火中の戦いで、討ちとってしまった。
いや。酸鼻は、これだけに止まらない。
大掾国香も、見ているわけにゆかないので、大串へ加勢に馳けつける途中、将門のために、返り討ちになった。その場で討死したのではないが、負傷して、一たん石田の居館まで逃げ帰り、その晩、苦しみにたえかねて、自害して果てたのだった。
そのほか、将門の前を阻めたり、敵対したりした郷吏の小やしきだの、社家だの、民家だの、貯備倉だの、焼きたてた数はかず知れなかった。「古記」によると、焦土となるもの五百戸、人畜の死傷もおびただしく、曠野の空の燻ること七日七夜に及んだという。
以て、いかに、怒れる阿修羅のあばれかたが、ひどいものであったか、想像に難くない。
おそらくは、七日のあと、大雨一過して、さしも、いぶり燃えていた曠野の火も血も洗い消された後では、将門も、凱旋の誇りもさめて、
「……ちと、やりすぎたかな?」
と、自分のした事に自分で茫然としたかもしれなかった。
けれど、これ以後、豊田の館は、家人郎党で、充満してしまった。