Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

と、弟たちの姿へいった。

「惜しいことをしました」と、将頼が答えながら馬を寄せて来た。「――生け捕りにして、郷里へ曳いてくれんと思いましたのに」

「なに。逃がしたのか」

「いや、自害してしまいました」

「自害したか――」と、将門は悵然と歎声の尾を曳きながら、

「憎い奴だが、さすがは、恥を知っている。自害したものなら仕方がない。将頼」

「はいっ」

「首を挙げろ」

「心得ました」

将頼は馬の背から飛び降りた。

将門以下、豊田の将兵は、そのとき、粛として、心に、凱歌の用意をしていた。

ところが、次の瞬間には、じつに計らざる事実が起っていた。

「や! こ、これは貞盛ではない」

と、首を挙げてみた将頼もいえば、また、周囲の者も、騒ぎ出したのである。

「太刀、具足など、貞盛の物を着けているが、貞盛の郎従、長田真樹だ――。長田真樹が、身代りに立ち、貞盛らしく振舞っていたのだ」

「では……当の貞盛は?」

と、将門の眼には、涙がこぼれかけて来た。

「供の郎従たちの中にまぎれて逃げ失せたか。それとも?」

乱戦のあとを思い出してみれば、小屋が黒煙を吐いたとき、中にいた渡船の老爺だの、土民らしい者が何人か、こけつ転びつ逃げて行った。