Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

誰が、やったのか、町屋の一角には、もう火の手だ。

未開土の住人の習癖として、すぐ火を闘争の手段に使う。火つけを、何ともおもわない。

「興世王。いるか」

将門は、呼んでみた。

「――経基どの。介ノ経基どのは、おらるるか」

それも、返辞はない。

「武芝どの。武芝どの」

あたりへ向って、彼は、そう三名を、さっきから呼び廻っていたが、いずれも、部下を案じて、駈け出して行ったものか、いい合せたように、みな見えない。

将平が、やっと、帰って来た。

「兄者人。もう、手がつけられません」

「どうしたわけだ。一体」

「よく分りませんが、何でも、興世王や経基の家来が、町屋の辻で、祝い酒をのみながら、大はしゃぎに、騒いでいたらしいのです」

「ウム。……武芝の家来も、一しょにか」

「もちろん、武芝の身内も、また、私たちの郎党も、その辺に、小屋を分けて、酒もりをしていたものでしょう。――ところが、つい今頃になって、また、甲冑に身をかためた百人ばかりの武芝の郎党が、狭山から――主人武芝の帰りを案じて、迎えに来たらしいのですが――それを、経基の家来が邪推して、町の入口で立ち阻め、入れる入れない、といったような事から、乱暴が始まり、ついに、本ものの戦闘になってしまったものです」