Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
術もないとは……」
「そのお苦しみを慰めようと枯野に狩りを催せば愛鷹はお手から遁がれ去る……若殿の切ないお心のうち申す言葉もございません」
丈左衛門と弥三郎とは声しめらせて云うのであった。
若殿は益※(二の字点、1-2-22)元気なく、
「吾妻姫を奥に致したのも決して色慾のためではない、我が家の安泰を計るためのいわば政略であったのだ。その政略の妻合わせを結ぶの神が怒ったものか思いも寄らない物の怪騒ぎ。このまま騒動が続くならば、せっかく婚った吾妻姫を北条家へ帰してやらねばならず、一旦帰した上からは、今日の味方は明日の敵、天下の豪族北条家を敵に廻わして戦うやもしれぬ。木曽一国を相手としてもはかばかしからぬ我らが軍、まして氏政を敵に廻わさば勝敗の数は知れている。これが何よりの心配なのだ。伊那家の運も尽きたのかと、日夜こればかりが案じられる……」
その時、鼾の声が絶えて、老人がムックリと起き上がった。
「物の怪騒動の傀儡の種この老人が明かしましょう」
老人は三人を打ち見やった。
若殿はじめ二人の武士はそのまま縁から腰を上げ、恭しく老人に一礼した。
「これはこれはご老人、せっかくの睡りをお妨げ致し平にご容赦いたされよ」