Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
「公孫樹のお夏というからには、女に化けるに相違ない。素晴しい美男の拙者参って、あべこべに狐めを誑かそうぞ」
「よろしい拙者も参るとしよう」
「しからば僕もお同伴いたす」
飛鳥左近吾はそれを見るとカラカラと笑って手を振った。
「成らぬ成らぬ、それは駄目じゃ。そのように大勢で行こうものなら、出かかった狐めも引っ込んでしまう。何んで化け比べなどするものぞ。それよりお互いに鬮を引いて、二人ずつ行くことにしようではないか」
「いかさまこれはもっともじゃ。それでは鬮を引くことにしようぞ」
紙を引き裂いて紙縒とし、数十本の鬮を作り、一人一人それを引いて行った。
木村常陸介と山尾とが、ちょうどその鬮にあたったのである。
「これはこれは常陸殿と、山尾殿とが当ったそうな。これは似合いのよいご夫婦。さあさあ新婚で参られよ」
客将達は手を拍ってこの人選を喝采した。
「しからばとにかく我々二人、出かけることに致しましょう」
常陸介は苦笑を浮かべながら山尾の顔を見守った。
山尾はいくらか恥ずかしそうにホンノリ頬を紅に染めて、無言で天守を下りるのであった。
やがて常陸もそれにつづいて天守を下へおりて行った。