Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
それからは双方対陣したまま仕掛けようとはしなかった。
冬の長い夜も次第に明けて、東の空が紅くなり、横雲に華々しい光が射し、そして日輪が昇り始めた頃、はたして初めて両軍は、戦いの気勢を上げたのであった。
「それから恐ろしい混戦になり、坊主之助を取り遁がしたのだ」
数馬は山路を里ある方へ一人苦しそうに歩きながら昨日からの事を考えた。
彼は昨日の戦いが混戦になるのを待ち構えて花村方の陣へ入り、坊主之助を付け狙った。
そうしてようやく枯林の中で、はたと二人が顔を合わせた時、数馬は宣りを上げたのであった。
宣りを上げられて坊主之助は、ハッと当惑したらしかったが、さすがに彼も勇士であった。
「いかにも昔、汝の父を、武士の意気地で殺害はしたが、討ちつ討たれつは戦国の常、悪事をしたとは露思わぬ。とは云え汝の身と成って見れば、我を仇と狙うももっとも、勝負しようとなら勝負しよう。したが一つの相談がある。我の得物はこの飛礫じゃ。これを十個だけ打ち掛けようぞ。その中たとえ一個でも汝の体に当たったなら、我より技倆の鈍い証拠。一旦別れて修行をし、その上再び立ち合いしよう。一つも当たらぬその時は、我より汝が勝った証拠。