Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme

Aozora Bunko

そのうちに父母が相続いてこの世を去ったのをよい機会に、私の家を横領して、田地田畑一切のものを自分の物にしてしまうと、自分から藪原の長者と名のり、諸国の人買いと結託し、ただ今のような盛大な、遊女屋を開いたのでございます。しかるに私は、小さい頃から、無頼の性質でございまして、暴れ者などの頭となって、仁侠の真似など致しますのが、何より好きでございました。そのため親の手もとをさえ、幼い時に離れまして、諸国を歩いておりましたが、今からちょうど五年前、この地へ帰って参りましたところ、今申したような有様で、私の家は横領され、両親も逝くなっておりました。そこで私は口惜しがって、度々藪原の長者のもとへ怒鳴り込みに行ったのでございます。しかし長者は私などより、役者が一枚上のために、そのつどうまうま騙されて、空しく帰されてしまいました。そのうち私は、この白萩と深い仲になったのでございます。白萩と深くなってからは、藪原長者と掛け合って、家財を再び取り返そうなどとそんな事は思わなくなりました。ただ逢いたいと思うばかり。すると長者はこの二人の仲をさえ裂こうとするのでした……」