Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
それでは俗に野師という、あの連中のことであるか?」
「へいへい、その野師でございます」
「そうして今頃どこへ参る?」
「伊那の飯田に参ります。そこで興行致しますので」
数馬はちょっと頷いて、
「そうであったか。そうとも知らず、とんだ止めだて致したの」
「えーと、ところで旦那様は、こんな夜中にこんな山中を、どっちへいらっしゃるおつもりで、道にお迷いなさいましたな」
「どこへ行くという目あてもなく、人里へ出たいとこう思って、むやみと歩いておったのじゃよ」
「なるほど、さようでございましたか」
「一番近い人里へはどの道を行ったらよかろうの?」
「一番近い人里と申しますとやはり飯田でございますな」
「さように飯田は近いかの」
「一番お近うございます――いかがでございましょう旦那様、私達とご一緒にその飯田へこれからお出でなされては?」
「野師のその方達と一緒にかな」
「旦那は野師野師とおっしゃいますが、野師とて人間でございますよ」
「いやいや野師と云ったとて軽蔑をしたわけではない。ただ何気なく云ったまでじゃ……それではいっそその方達と一緒に飯田の城下へ参ろうかの」
「それがお得でございます。