Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
「いやいやそれは少し違う。お吉が殺すと騒いでいるのは、兄の紋十郎じゃということじゃ」
「いやいやそれもちと違う。つまりお吉は兄紋十郎へ、自害を勧めているのじゃそうな。兄さんすぐにもこの鎌で立派に自害なさりませと、こう云って追い廻わしているのじゃそうな」
「いずれにしても気の毒なものよ」
「ところで右衛門はお吉を棄てると、すぐと島君と恋仲になり、しげしげ和佐保町へ通うということじゃが、とんだ果報の色男じゃの」
「ずっと前から島君の方では、右衛門に恋していたのじゃそうな。それでお吉と別れたと聞くと、女の方から血道を上げ、誘惑に掛かったという事じゃ」
「ところが……」と一人が打ち消した。「ところが、好事魔多しでな、今も噂に出た紋十郎が、これまたずっと以前からその島君に参っていて、通い詰めていたということじゃが、その恋人の島君を、右衛門に取られたと知るや否や、阿修羅のように荒れ廻わり、どこから金を持って来るものか、日ごと夜ごとに和佐保へ出て行き湯水のように蒔き散らし、右衛門めの男振りと、この紋十郎の金の力と、どっちが勝つか決闘じゃと、えらく買い煽っているということじゃ」