Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
決して恋しいとは云いはしませぬ」
「なるほどなるほど、そうなくてはならぬ……おやまたあのように呼んでござるに、ここにおっては悪かろう」
「たとえ悪かろうと善かろうと、妾は行くのは厭でござんす」
「それでは妾がよいように、とりなして置くほどに、ゆるりとそこで休がよい」
こう云いすてるとバタバタと千寿は座敷へ取って返した。
後は再びひっそりと、ただ遠くから歌の声が、たけて聞こえて来るばかりであった。
歌者は今の千寿らしい。
「やんや、やんや」
とひとしきりまたも囃子の声が聞こえて来た。
亀菊が歌っているらしい。勝れた美音で歌っている。
何がなしに嘆息して、花桐は涙をにじませた。まことに季節は晩春初夏! 人の恋しく懐かしく、そうして悲しい時である。
永い初夏の日も次第に暮れ、点灯頃と成り果てた。離れ座敷の騒ぎも静まり、どうやら皆酔い仆れたらしい。
スラリと間の襖が開いて、この室へ姿を現わしたのは、豊麗を極めた島君であった。
「どうなされた花桐さん」
彼女は酷く酔っているらしい、こう云う声もしどろであったが、やがてぐたぐたと膝を突いた。そうして花桐を長い袖でひしとばかりに抱きかかえたが、