Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
老師と数馬とはそこを狙ってひらりと廊下へ飛び出した。はたして四辺には人影もない。
「あっちへあっちへ」
と叫びながら老師は廊下を左の方へ足音を忍んで走って行く。
二重目の城砦は広いと見えてどこまでも廊下は続いていた。そうして長い廊下に添って幾個かの部屋が出来ていた。
一層立派に作られた廊下添いの部屋までやって来た時、老師はピタリと足を止め、そっと数馬に囁いた。その声は非常に真剣であった。
「白虎城砦の守備の長、白虎太郎がこの部屋の中に、今睡っているのじゃよ。でもう一度芸当を使って、彼を室より誘き出すによってご苦労ながら飛んでかかり捕縛ってはくださるまいか?」
「心得申した」と東条数馬は、さも潔く引き受けた。「たとえ義経、為朝であれ、必ず某引っ組んで取り抑えてお目にかけまする」
「お願い申す」
とオースチン老師は部屋の板戸まで忍び寄ると音せぬように引き開けた。尚襖が立ててある。その襖を細目にあけるとやおら機械を抱え上げ、その筒先を差し込んだ。
眠らせる術
老師は黒布をつと刎ねた。白光が筒口から閃めき出で室の中へ颯と注いで行く。と老師はコロネを吹く。
こうしてしばらく時が経った。