Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
「ごめん遊ばせ」と小腰をかがめ、恐れ気もなく近寄ったが、「よい焚火でございますこと、どうぞあたらしてくださいまし」
しかし老人は返辞をしない。堅くその眼を閉じていた。
と、突然老人は、手を一つポンと拍ったが、
「善いかな善いかな善い相好じゃ! 女ながらも将帥の器、これなら秘法の解釈を、譲り渡しても心配はあるまい。娘よ、秘巻をひらくがよい!」凛とした声でこう云った。
巻物を読む
「はい」
というと威厳に打たれ、鳰鳥は思わず手を支えたが、その手を懐中へ差し込むと、例の巻物を取り出した。
「はて、冒頭に何んとあるな!」
「はい」と云うと鳰鳥はスルスルと巻物を押しひらいた。
「『番兵――何故に来れるや?』このように書いてございます」
「ふむ、そうしてその次には?」
「『入国者――即ち姓名を軍中に列し、天朝の義臣たらんがためなり』このように書いてございます」
「ふむ、そうしてその次は? ……先をズンズン読むがいい」
で、鳰鳥は読んで行った。
番兵――如何んか兄弟を要するを知れる?
入国者――天の告げにより、地の告げにより。
番兵――然らば如何んの人間か、汝に教えて来らしむ?