Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
只忠心義気の者のみ永遠の福祉を受けん」
「そうだ」と老人は厳かに云った。「この誓言が済んで後、はじめて新しい入国者は、その国の住民となれるのだ。……さてその次には何んと書いてあるな?」
「はい」
と云うと鳰鳥はスルスルと巻物を繰って見た。と、そこには世にも奇怪な、文字というより物の形が、こまかくベッタリと記されてあった。
「どうだな、娘よ、読めるかな?」
「いいえ」
と鳰鳥は眼を見張った。「鳥の形や、魚の形、日月星辰の形から、犬、牛、馬の形など、そうかと思うと山や川や、草木の形、虫の形まで、こまかく書いてございますが、どういう意味やら妾には……」
「おお、とんと解らぬかな」
「はい、とんと解りませぬ」
「解らないのが当然だ」
奇々怪々の伝授
こう云うと老人は眉を垂れ、莞爾とばかり笑ったが、
「これはな、世に云う象形文字だ。そうしてここに書かれてあるのは、兵においては奇道、人にありては変態、すなわち魔法妖術の書だ」
「おお、それでは魔法の書で」鳰鳥の顔は輝いた。
「さようこれは魔法の書だ。ただし武将が用いる時には、変幻出没たる兵法となり、悪人姦党が利用する時には恐るべき偸盗の道具となる。