Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
つまりは父親のお前さんが、娘を犠牲に上げたのさ。妾にはちっとも罪はない。解ったろうね、え、お前さん!」
「黙れ!」と城主は怒号した。
「いや貴様が瞞ったのだ。姫を瞞ったに相違ない。引っ捉えて八裂きにする! 者ども出合え! 者ども出合え!」
声に応じてムラムラと家来達が走り出た。
「それ、あの女を引っ捉えろ!」
家来達は走りかかり、鳰鳥を捉えようとひしめいた。
捉えることは出来なかった。
鳰鳥の身の軽さ、胡蝶のように翩翻と、右に左に前に後ろに、眼にも止まらず駈け廻わった。
玄関の方へと走って行った。
家来達が先廻わりをした。
引き返さなければならなかった。
一つの部屋へ飛び込もうとした。
そこから槍が突き出された。で、鳰鳥は身を反わせ、廊下を向こうへ走って行った。
家来達が後から追っかけた。
と丁字形の廊下へ出た。鳰鳥は右へ曲った。
そっちから家来達が現われた。
そこで彼女は左へ曲った。
廊下が尽きると中庭で、彼女は中庭へ飛び出した。
家来達が追っかけて来た。
鳰鳥は中庭を突っ切った。
そこに裏門が立っていた。
彼女は裏門から走り出た。
そこは城の裏手であった。