Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
されば言葉に従うて、世話を受けたいは山々なれど、受けられぬ訳が一つある」
「へえ受けられぬ訳があると? 不思議なことでございますな。そうして受けられぬその訳とは?」
「他でもござらぬ、拙者には十数人の敵がござる」
「え!」と云いながら如来衛門は、思わずその眼を見張ったが、
「そうしていったいその敵とはいかなる人間でございますな?」
「いずれも逞しい山賊ども!」
「ふうむ」と思わず唸りをあげ、「してそれはどこにおりますな?」
「手近に迫っておるのじゃわい!」
云いながら武士は手を挙げて、前方の林へ指を差し、
「見られよ、向こうの林の中に、あるいは傀儡師、売茶郎、念仏僧などに身をやつして、十数人の人影が此方を眺めておろうがの。あれこそすなわち山賊ども、拙者を覗う敵なのじゃ」
「へーい、あいつらでございますか」
如来衛門は腕を撫り、林の奥を睨んだが、
「いずれ山賊というからには、どっかの山の奥の方で、こっそり住んでると思ったに、人里近いこんな処へ、群を造って出て来るとは惘れ返った大胆者! お武家様の敵でよしなくとも、抛棄って置くことは出来ません。向こうが多勢というのなら、乾児子方を駆り集め、こっちも大勢となった上で取り挫ごうじゃございませんか。