Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
「親分」
八五郎の声にも怒りがあります。
「馬鹿ッ、そいつを呑むと命がねえぞ」
「えッ」
「今路地の外まで帰って来ると、変な野郎がウロウロしているから、様子を見ているうちに、お静の話を聞いてしまったよ、――八丁堀の旦那が、心祝いに酒を下すったなんて、そいつは大嘘だ。俺はつい先刻まで、八丁堀に居たんだから、お酒を下さるなら、そんなお話の出ないわけはねえ。心祝いどころか、笹野の旦那は明日は先代様の法要で、牛込のお寺まで行かなきゃならないと言っていなすったよ」
そう言いながら平次は、埃も叩かずに入り込んで、黙ったままお静の差出す樽を受取って眺めました。
「親分、そ、そいつは本当ですかえ」
「嘘だった日にゃ、俺は八に申し訳がねえことになる。これを見るがいい、樽は町内の酒屋のだ。八丁堀から届いたのでない証拠は、この定の印で判るだろう」
「…………」
八五郎もそう言われると、口もきけません。
「危ないところだ、八。そいつを一と猪口呑んだだけで、手前は俺の身代りに、血へどを吐いて死ぬところよ」
「…………」
「だが、癪にさわる野郎じゃないか。この平次を鰌と間違えやがって」
「誰がこんな事をしたんだ、親分」