Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
仁三郎の臍繰――そんなものがもしあったとしたら、ろくに鍵も錠もない、仁三郎の部屋へ忍び込んで、何とかして奪るのが本当で、賽銭箱の上に登らなければ取れない鈴の緒を引き千切って、玉垣の下へ死体を投り出しておくというのは、あまりに念入りな頭の悪さです。
「そんなはずはございません、下手人は思いもよらぬ大物でしょう」
平次はそう言って与力の役宅を出ましたが、さて、大きい口を利いたものの、手繰って行く手蔓が一つもありません。
念のために下谷へ引返して、徳蔵稲荷の氏子総代――和泉屋という町内の酒屋の主人に逢って訊いてみると、思いも寄らぬ新事実が挙がりました。
それは、徳蔵稲荷の建物はひどく古くなったので、最近堀留の穀物問屋で、諸藩の御金御用も勤め苗字帯刀まで許されている、大川屋孫三郎が、全然新しく建てて寄進することになり、材木まで用意して、来春早々工事に取りかかる運びにまでなっているというのです。
それだけなら何でもありませんが、その上、古い堂宇は、信心のため孫三郎が申受け、御本尊を除いた一切の付属品と共に、根岸の寮の広い庭に移して、そのまま祀ろうという事に決っているという話なのです。