Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
「なるほど」
「でも――」
お崎の処女らしい、鋭い叡智が、どこが怪しいということもなく、この仮説に反対しているのでした。
平次は立ち上がって、いろいろ調べてみました。居間の中には、案外道具らしいものはなく、長火鉢はありますが、それは反対の隅の方で、踏台の代りにはならず、炭取りや、箱膳はあったにしても、これも踏台になるほどのものではありません。
勝手から真物の踏台を持って来て、暖簾をかけた店口の上の長押を調べました。頸吊り縄の跡は、わずかに埃の上に印されただけ、ここを重点にして、十六七貫の人間を、三十貫あまりの仏体が引摺り上げた様子もなかったのです。
店へ行ってみると、仏像はまだ台座から転げ落ちたまま、片隅に寄せられてありますが、恐ろしく頑固な青銅製で、たぶん露仏に建立したものでしょう。少しの剥落も損傷もなく、この仏像を転がし落された不釣合に高い木製の蓮台にも、不思議なことに、大した傷も見付からなかったのでした。
「なるほど、こいつは少し変だ。こんな手数のかかる頸の吊りようをする人間もあるまいが、こんな手数のかかる人殺しも始めてだ」
平次もさすがに唸らされます。