Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

――銭形の親分さんのお口添えがありましたそうで、そのうえ娘の行方まで判って、こんな嬉しいことはございません」

百松はそう言い続けながら、フト挙げた眼が、銭形の平次の手に持っている古手拭に止まったのです。

「爺さん、この手拭を知っているだろうな」

「…………」

百松の渋紙色の顔はサッと血の気がうせます。

「みんな申上げた方がいいよ」

「ハイ、申します、みんな申上げます。――その代り、娘がもうここへ来るはずになっております。せめて十七年目で親子名乗のすむまで、縛ることだけは勘弁して下さい」

「…………」

「あの晩、私は音次郎の家へ行きました。あのお崎という娘が、私の娘のお染に違いないと、私は心の中できめていたのでございます」

「…………」

「年が違っても、眼が二つとも黒々としていても、自分の娘をいつまでも知らずにいるはずはございません。両国から帰るとすぐ、川越屋へ行って、娘を返せと強談すると、――あの音次郎の奴が、いかにも、お崎はお前の娘のお染に相違ないが、いつかはお前に覚られるだろうと思って、遠方へ、二度とここへ帰られない遠方へやってしまった――とこう言うじゃございませんか」