Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

「そうでしょう、――いやそう打明けておっしゃって下さると大変私もお話を申上げよくなります。ところで、その次に伺いたいのは徳蔵稲荷の鈴の事ですが、あれは一体どうなりました」

平次の言葉は直ちに問題の核心に触れて行きます。

「あれは少しも存じません。先ほどお取次に出ました、召使の八重と申す娘に、朝夕あの鈴を見張りながら、お詣りをさせておきましたが、あの日行ってみると、鈴は紅白の緒ごと引き千切られ、玉垣の下には、鈴の緒で縛られた死骸があったと申します。八重は気丈な娘でございますから、もしやと思って死骸の近所を探したそうですが、鈴はやはり無かったそうでございます。そのとき袂の先を少し血潮で汚したとか言っておりました」

お米の答は明快を極めました。眉の跡の青々とした明眸の女主人は、さすが昔の全盛を偲ばせて、年にも柄にも似合わぬ頭のよさがあったのです。

「そうでしょう、――あの娘に鈴の緒を千切れるわけもなく、気が強いといっても仁三郎を殺せるはずもありません。最初往来で擦れ違った時は、袂の血を見て吃驚しましたが、仁三郎の死体を見て、これは女子供の仕業でないとわかりましたよ、お蔭でだいぶ眼鼻が付いて参りました」