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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

黙ってその運命を待っているはずもありません。

こうして日は無事に過ぎましたが、いつの頃からか、総領の富太郎は虫の気がひどくなって、夜分にひどくうなされたり、物驚きをしたり、時々は引付けたり、次第に糸のごとく痩せ細って、頼りない有様になって行くのでした。

「坊っちゃまにお訊きすると、夜中にお化けが出ると、こうおっしゃるんですよ。染や、何とかしておくれ、重三、重三――と、時々はむずかりなさいますが、どんなお化けが出るのやら、一向見当が付きません」

お染はこう言いながらも、幼い富太郎が、目に見えぬあやかしに悩まされて、夜とともに怯えて泣き騒ぐ怖ろしさを思い出したものか、肥っちょ肩を縮めて、ゾッと身を顫わせました。

「その坊っちゃんは、誰と一緒に寝ていなさるのかい」

と平次。

「いえ、疳の強いお子さんで、そんなに物驚きをなさりながらも、どうしても誰とも一緒にお休みになりません。仕方がございませんので、お嬢様か私が、床を並べて、お仏壇の前に休んでおります」

「お仏壇の前?」

「え、それにもわけがございます。去年御新造様がお亡くなりになる時、大事なものは私の魂と一緒に仏壇の中に入れてあるから、お嬢様かお坊っちゃまは必ずここで休むようとおっしゃったのでございます」