Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
さて、いよいよ九十八人全部裸体になってしまって、この日の一等は、胸から背へかけて、胴一杯に、狐の嫁入りを彫った遊び人と、背中一面に大津絵の藤娘を彫った折助とが、争うことになりましたが、いよいよこれが最後という時、
「あっしのも見ておくんなさい」
パッと着物を丸めて、満座の視線の中へ飛込んだ男があります。
「何だ、無疵の身体じゃないか、色が白いだけじゃ通用しねえ、退いた退いた」
世話人がかき退けるようにすると、
「俺の文身はこの下なんだ、諸人にひけらかすような安い絵柄じゃねえ」
白木綿を一反も巻いたろうと思う新しい腹巻を、クルクルと解くと、その下から現われたのは真っ白な下腹部を三巻半も巻いて、臍の上へ鎌首をヒョイともたげて、赤い焔のような舌を吐いている蛇の文身。
「あッ」
九十八人の文身自慢で集まった人達も、思わず感嘆の声をあげました。
見ると、白皙長躯、浪裡の張順を思わせるような好い男、一とわたり、一座の驚き呆れる顔をたそがれの色の中に見定めると、腹巻をクルクルと巻き直して、丸めた着物を小脇に掻い込むと、
「御免よ、あっしは忙しい身体なんだ。白米は後から貰いに来るぜ」