Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
捕物の名人と言われながら、滅多に人を縛らないという義に勇む親分にお願いして、この急場を凌ごうとしたのでございます。後先も見ずに飛込んで、何とも申し訳ございません」
お町は改めて、嗜みの良い辞儀を一つしました。
「で、どうしようと言うのだえ、お町さんとやら」
「この様子では、とてもこの手筐を妻恋坂までは持って参れません。そうかと言って、このまま引返すと、一晩経たないうちに、盗まれることは判り切っております。御迷惑でも親分さん、ほんのしばらく、これを預かっておいて下さいませんでしょうか」
「それは困るな、お町さん、そんな大事なものを預かって万一のことがあっては――」
平次も驚きました。命がけで持って来たらしいこの手筐を、そんなに軽々しく預かっていいものかどうか、全く見当も付かなかったのです。
「親分のところへ預かっておいて危ないものなら、どこへ置いても安心なところはございません。どうぞ、お願いでございます」
折入っての頼み、平次もこの上は没義道に突っ放せそうもありません。
「それは預からないものでもないが、少しわけを話して貰おうか。中に何が入ってるか見当も付かず、後でどんなことになるかもわからないようなことでは、どんなに暢気な私でも心細い」