Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
――中を開けたら、曲者もさぞ驚いたろう――平次はツイそんな気持になりましたが、そのまま提灯を上げて、死体を取囲んだ五六人の顔を順々に照らして行きました。
「八」
「ヘエ」
「この中に、お前が最初に、死骸の番を頼んだ人がいるか」
「親分、いませんよ」
「本当か」
「本当ですとも、小作りで、――暗くて解らなかったが猫背の男でしたよ、どうも不思議だ」
「何が不思議なものか、それが下手人だったのよ」
「えッ」
「馬鹿だな、相変らず、――お前は先刻、二三十間駆け付けるまでここから逃げ出した者はないと言ったろう」
「ヘエ――」
「外に隠れる場所はねえ。急場の思い付きだ、たぶん一度隠れたその塀の間から、暢気そうに懐手をしてノソリと出て来たろう」
「そうですよ、親分。まるで見ていたようだ」
「町内の人のような顔をして逃げたんだ。恐ろしく落着いた野郎だ。年恰好、人相、着物などを見なかったか」
「それが親分、下手人と解れば見ておいたんだが――」
「仕様のねえ野郎だな」
「でも、猫背とわかっているんだから、これはわけもなく見付かるぜ」
「フーム」
「ね、親分、石井一家のうちから猫背を探しゃアわけはねえ、行って当ってみましょうか」