Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
番頭の禄兵衛を顧みて、今度は店の方へ。
「ね、親分、あのお嬢さんは、人などを殺せるような人間じゃありません。剃刀はお嬢さんのでも、これは私が請合いますよ、誰かお嬢さんの剃刀を持出した奴があるのでしょう」
「さア」
平次はそれには肯定も否定も与えませんでした。
間もなく、番頭の部屋を借りて、呼び出して貰ったのは、主人の甥の世之次郎。
「ヘエ、今晩は、御苦労様で」
店で働いているだけに、如才のないことはお縫と反対で、敷居際に手を突いて、支配人と平次の顔を等分に見上げました。
小作りで、年の頃二十五六、少し三白眼ですが、色の浅黒い、なかなかの男前、なんとなく軽捷で抜け目のなさそうな人間です。
「世之次郎さんと言いましたね」
「ヘエ」
「御主人に万一のことがあると、総領が勘当されていなさるそうだから、お前さんが跡取りというわけかネ」
平次は妙に立ち入ったことをツケツケ言います。
「とんでもない、親分。そうでなくてさえ、世間の口がうるさくてかないません。そんなことはどうぞおっしゃらないように願います」
「まア、いいやな、お前さんは運が好いんで。それはそうと晩飯の後でどこへも出なさりはしまいネ」