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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

命を狙われちゃ、いい心持のものじゃあるめえ。――送って行ってあげよう。お前さんの家はどこだえ」

「横山町まで参ります」

「横山町?」

「遠州屋の者で」

「遠州屋は大分限だが――店の者にしちゃ」

平次は頸を捻りました。絽の羽織、博多の帯、越後上布の単衣、――どう見ても丁稚や手代の風俗ではありませんが、仔細あって、横山町の遠州屋の主人はツイ先頃非業の死を遂げ、跡取りはまだほんの子供だという話を聞いていたのでした。

「甥の金之丞と申します」

「それじゃ、能役者をしていた好い男てえのはお前さんかい」

ガラッ八の八五郎は、ツケツケしたことを言って、金之丞と名乗る男の顔を差し覗きました。

「お恥ずかしいことでございます」

「恥ずかしがることはねえが、命なんか狙われるようじゃ、好い男に生れつくのも考えものだね」

と八五郎。

「安心しろよ。手前なんかは、生れ変ったって、財布や命の狙われっこはねえ」

平次はツイ口を容れました。金之丞の恐れ入った調子と、それに対照して、八五郎のトボケた調子が、たまらなく平次の好謔心を嗾ったのでしょう。

「お蔭様でね」

「怒るなよ、八。その方が無事でいいぜ」