Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
「フーム」
「物干からお内儀さんの身体を逆さまに投げ落すほどの力のあるのは、あの家の中にはたった一人しかおりません。坊っちゃまはまだ五つですから、後見人となれば、あの何十万両の身代は六郎さんの自由になります。金之丞さんも身内には相違ありませんが、縁が遠くなりますし、それに、あの通り弱い方で、大店を切り廻す方じゃございません。支配人の佐吉さんは六郎さんには一番の苦手ですが、これは奉公人ですから、いざとなれば暇をやる術もあります」
爺やは意気込みました。その言うことは一と通りも二た通りも条理が立って、さすがの平次も承服しないわけにはいかなかったのです。
「親類方や分家の主人などは、六郎の後見を承知するだろうか」
これが残る唯一の疑いでした。
「承知するもしないもございません。少し厭な顔をしても喧嘩を吹っかけられます。あの六郎さんという人は狂犬のような人間で――」
「それじゃ、後見人になったところで、肝腎の子供が、いやがって寄り付かないだろう」
「ところが、不思議なことがあるもので、坊っちゃんは、荒っぽい六郎叔父さんが大好きで、叱られても、時々はからかい半分に打たれても、あの恐ろしい叔父さんにへばりついております。