Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
一方、遠州屋の空気は、いつからとなく、はっきり六郎に反いて行きました。金之丞や仁助が疑い始めたのへ、佐吉も、他の奉公人も従いて行ったのでしょう。
一つは、商人の家の空気の中に住むと、六郎は全く始末の悪い存在で、その荒々しい気風と、喧嘩早い太々しさは、皆んなから反感を持たれるのも無理のないことだったのです。
やがて、主人を海へ沈めたのも、お内儀を物干から投げ飛ばしたのも、六郎に相違ない――といった疑いが、家中の者を始め、親類の人達まで支配しました。
初七日が済んですぐ開いた分家や親類方の相談で、六郎はこの家から立退いて貰うこと、跡取りには相違なく徳太郎を直し、十七歳になるまでは、従兄弟の金之丞が後見人になり、佐吉は相変らず支配人として、店の方を万事取締って行くことに決めてしまいました。
これは大勢の力で押し切ったことで、六郎はカンカンに腹を立てましたが、どうすることも出来ません。
越えて三日目。
「親分さん、坊っちゃんが見えなくなりました。お願いですから捜し出して下さい」
遠州屋の死んだお内儀の妹、若くて美しいお里が、泣きながら平次の家へ飛んで来ました。