Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
下男部屋を見ましたが、そこも空っぽ。
念のため裏口の方を探しに行くと、裏木戸の内、建物と板塀の間に挟まって、ボロ切れのように倒れていたのは紛れもない仁助爺やです。
引起して見ると、
「あッ」
左の背中、貝殻骨の下から匕首を突き刺されて、冷たくなっているのでした。
後ろから心臓をやられたのですから、たぶん声も立てずに死んだのでしょう。それにしても恐ろしい手練で、匕首を抜かなかった所為か、ろくに血も出ておりません。
「この匕首は?」
平次は死体の背から刃物を抜いて見せると、五六人従いて来た人々は、互に顔を見合せて口をきく者もありません。
「親分さん、やられました、それは私ので――」
恐る恐る出たのは、青い顔をした金之丞です。
「本当にお前さんの品に相違あるまいな」
「ヘエ、間違いございません。さる御屋敷からの拝領の品で、自慢の短刀でございます。それが私の品ということは店中で知らないものは一人もございません」
「親分」
八五郎は懐の捕縄を爪繰りました。
「八、早まるな、それほど皆んなに知れている短刀で人を殺す馬鹿はない、おまけに、殺して二た刻(四時間)も経つのに、その目印の刃物を抜かずにおくということがあるものか」