Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
お倉は平次の方に膝行り寄って、その羽織の裾に犇とすがり付くのでした。
「よしよし、敵はきっと討ってやる。が、お神さんに心当りはないかえ、誰にも言うわけじゃない、そっと俺にだけ聞かしてくれ、お柳をひどく怨んでいたのは誰だい、――お柳が死んで得をするものは誰だい」
平次はこんな素人臭いことを、物柔かに訊くのです。
「娘を怨んでいるのは又六ですよ、――娘が死んで得をするのは――お留さんですよ、親分」
「お留が得をする、そいつは可怪しくないか、お神さん。お留じゃなくて、お糸だろう」
「いえ、丹次は浮気者です。今は金持の娘のお糸にチヤホヤしていても、いざとなると、お柳の次と言われた、綺麗で気象の面白いお留のところへ行くに違いありません」
「そんな事があるだろうか、――俺にはどうも判らない」
平次にもこの消息ばかりは分りそうもなかったのです。
念のために、狐格子に結んである夥しい紙片を調べましたが、新しいのは大部分御神籤を畳んだもので、たまたま縁結びがあっても、この事件に関係のありそうなのは一つもありません。
「昨夜のうちに、誰か取ってしまったんだね、親分」
「そんな事だろうな」