Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
父さんに無理な請負をさせて、さんざん損をさせた上、家作を取上げたり、店立てを喰わせたり、その上三月も半歳も只で使ったり――」
お留はそう一気に言い続けてゴクリと固唾を呑みました。いかに隠し事の出来ない性分でも、こんな事をツケツケ言うのは、父親のために、あまりよいことでないと気が付いたのでしょう。
「それっきりか」
平次は追っかけて問いました。
「え」
お留は唇を噛みます。拵え事の縁結びの事、金の力で丹次をさらって行った事、有馬屋父娘に対する怨みは、まだまだうんとあるにしても、それはここで言う筋ではなかったのです。
「縁結びのことを、お前は親父へ話したのか」
「え、あんまり口惜しかったんですもの」
お留は我慢のならない忿怒を噛みしめるように、糸切歯がキリリと鳴ります。
「番所につれて行かれたところで、縄を打たれたわけじゃねえ。一と通りお役人方のお調べが済んで、罪がないとわかれば許されて帰るだろう。あんまり心配しない方がいい」
平次もツイそう言ってみる気になりました。この江戸っ子気質の娘が、激しい気象の持主だったにしても、平次には好感のもてる種類の人間です。
「親分、金太兄哥にそう言って、何とかしてやりましょうか」