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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(四)城の絵図面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

「とんだ事でしたね、旦那」

奥で火鉢に顎を埋めるように、深々と思案に暮れているのは、主人の勘兵衛でした。まだ五十五六の働き者ですが、親一人子一人の倅を喪って、さすがにがっかりしております。

「有難うございます、――御苦労様で――」

「下手人の心当りはありませんか」

「それがあれば宜しいでしょうが――なにぶん私は二た刻もお客の相手をしていましたんで――」

ガラッ八の恐ろしい愚問に舌を巻きながらも、商人らしく、勘兵衛は素直に相槌を打ちます。

小僧の寅松は庭を掃いておりましたが、これはやっと十二、人を殺す年でも柄でもありません。

「あれがお清さんとかいう?」

お勝手から出て来た若くて美しい女を、薄暗がりの中にガラッ八は指しました。

「いえ、お浜といって、行儀見習に下田の取引先から来ている娘ですよ」

勘兵衛は訂正してくれます。そう言えば、美しさにも、身扮の整っているにも拘わらず、眉も歯も、娘姿に間違いはありません。

「下田から――? いつ頃から来て居なさるんで」

「半歳ほど前でした、――十九の厄で、年を越さないうちは嫁にもやれないから、しばらく江戸の水を呑ましてくれという親元の頼みでしてな」