후리가나로 읽는 일본 고전
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
国枝 史郎의 娘煙術師(むすめえんじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 267,766자 · 530화면
闇から出た男
――今夜から妾のものになるのさ。――それはこういった言葉であった。「ああそれでは親友の左内は、姫君姿の幽鬼的の女に、誘惑をされているのであったか。いよいようっちゃってはおかれない。どうともして正気に返さなければならない。だがどうしたらいいのだろう? 余りにも強く魅入られている」
しかしその時一つの考えが、紋也の頭にひらめいた。「うむ、そうだ、これをいってやろう」――紋也は首を伸ばして、左内の右の耳のあたりへ、近々と口を近づけたが、「貴殿には恋人があるはずだ、お狂言師の泉嘉門殿の十九になられる娘のお菊殿が! どのようなことがあろうとも、お菊殿を袖にはできますまい。ほかの女に誘なわれる! 不人情でござるぞ! 不人情でござるぞ!」
この紋也のささやいた言葉は、左内にはてきめんに効果があった。フッと左内は身顫いをしたが、
「お菊? お菊殿! いかにも俺の愛する人だ!」それから四辺を見まわしたが、「どこだ? ここは? 誰だ? 貴殿は? おッ山県紋也か! 俺はいったいどうしたのだ?」ようよう正気に返ったのであった。
闇から出た男
正気に返ったと見て取ったので、羽掻い締めにしていた両の腕を素早く紋也は解き放したが、北条左内の前へ立った。