후리가나로 읽는 일본 고전
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
国枝 史郎의 娘煙術師(むすめえんじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 267,766자 · 530화면
巻き奉書の行方
と、白々と紙らしい物が、塀の内側の庭の上へ落ちた。
巻き奉書の行方
塀の上から転落をした拍子に、懐中の中にあった二品の中の、綴じ紙のほうが懐中から飛び出し、塀の内側の庭の上へ、蛾のように白く落ちたのをも、嘉門は少しも知らなかった。
「ああ空家ではなかったのか! み、醜い妖怪じみた老女! び、美男のお侍たち! 化け物屋敷だアーッ、化け物屋敷だアーッ」――嘉門は夢中で往来を走った。どちらの方角へ走っているのかそれさえ嘉門にはわかっていないようであった。足にまかせて走って行く。しかし嘉門は佐久間町の通りを、代官町の方角へ、今や走っているのであった。酔いなどとうに醒めてしまって、恐怖ばかりが心にあった。
しかしそれにしても厳密にいえば、空家と思っていた家の中から、老女と若侍とが現われて、誰何したというそればかりのことでおちつきのある芸匠の身分の泉嘉門ほどの人物が、こうも恐怖を感ずるとは、ちょっと受け取れないことではあった。想うに嘉門は見えた事実よりも、事実の奥に秘められている、見えなかった事実や聞こえなかった事実――そういうものから放射される、鬼気ないしは魔気というようなものに、襲われた結果恐怖したのかもしれない。