후리가나로 읽는 일본 고전
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
国枝 史郎의 娘煙術師(むすめえんじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 267,766자 · 530화면
煙りの文字
日数がたってその月が暮れて、翌月の中旬となった時に、本郷の高台の一郭で、ひとつの変った事件が起こった。というのは女煙術師が、煙術を使っていたのである。
煙りの文字
一人の女煙術師が、往来で煙術を使っている。赤い手甲に赤い脚絆、鬱金の襷をかけている。編笠をかぶっているところから、その顔形はわからなかったが、年の格好は十八、九でもあろうか、小づくりではあるが姿がよくて、たしかに美人に思われる。手に持ったは煙管であったが、長さ五尺はありそうである。羅宇に蒔絵が施してある。
ところで煙術とはどういうものなのであろう? 支那から渡って来たもので、煙草の煙りを口へ吸って、それを口から吐き出して、柳に蹴毬とか、仮名文字とか、輪廓だけの龍虎とかそういうものを空へかいて、見物へ見せる芸なのである。小規模のお座敷の芸としても、きわめて小規模のものであって、とうてい嵐の吹くような、往来などでは演ずることができない。元禄年間に一時流行って、それからしばらく中絶したが、明和年間にまた流行った。というのは一人の美人が出て、上手にそれを使ったからでもあったが、それよりむしろその美人が、目立つような派手やかな風俗をして、その風俗とその美貌とを、売り物にしたがためである。