후리가나로 읽는 일본 고전
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
国枝 史郎의 娘煙術師(むすめえんじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 267,766자 · 530화면
つけて行く浪人者
「お気をつけなされ、今日があぶない! お手前の人相をご覧なされ!」それはこういう言葉なのであった。「私に呼びかけたに相違ない!」で、老売卜者は刀を抜いた。こしらえは粗末ではあったけれども中身は十分に磨かれていた。三寸あまりも抜いた時に、夕陽がぶつかったからでもあろう、虹のような光を放ったが、それの面へ顔を写して見た。人相を写して見たのである。
「ああ、なんだ! この人相は!」で、ガックリと見台の上へ両手をつくと沈み込んだ。その手に触れたものがあった。
「うむ、さっきの巻き奉書だな!」夢中でスルスルと解いて見たが、グーッと懐中へねじ込んでしまった。「死なれない! 死なれない! 死なれない!」で、茫然と空を見た。いつまでもいつまでも眺めている。が、その空もすっかりと暮れて、夜が大江戸を包んだ時に、上野に向かう下谷の道を、一つの人影が歩いていた。浪人ふうの若い武士である。
つけて行く浪人者
浪人ふうの若い武士が、下谷の通りを歩いている。今しがた降った雨が止んで、雲切れがして月が出たが、往来の左右は寺々で、燈火一筋さしていない。で、四辺が暗闇で姿がハッキリわからなかった。