후리가나로 읽는 일본 고전
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
国枝 史郎의 娘煙術師(むすめえんじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 267,766자 · 530화면
揶揄するお粂
――とその時土塀の上から、意外にも女の声がした。「よろしかったらお火をお貸ししましょう」
同時に火の玉が下りて来た。
揶揄するお粂
「よろしかったらお火をお貸ししましょう」こういう声が聞こえて来て、それと一緒に大きな火の玉が、眼の前へ下がって来たのであった。代官松たるもの仰天せざるを得まい。「何を!」と思わず叫び声を上げたが、眼の前の火の玉を睨むように見た。羅宇に蒔絵がほどこしてある、ずばぬけて巨大な一本の煙管が、その雁首へ莨の火を持って、そこからもうもうと煙りを上げて、眼の前の空間にふらついている。「ほう」とそれを見ると代官松は、驚きの声をまたも洩らしたが、グイと額を上へ向けると、背に背負っている土塀の上の、瓦屋根のほうへ眼をやった。と、黒々と茂っている、常磐木の葉を背景にして、瓦屋根の上へ夕顔のような、白い女の笑っている顔が、月の光のない中へ、抜けるように浮き出して見えていた。
「チェッ」とまたもや代官松は、三度目の舌打ちをしたかと思うと、やにわに右手を差し延ばして、巨大な煙管をひったくろうとした。がその時には巨大な煙管は、より素早さをもって、スーッと上へ引き上げられて、煙りばかりが暗さの中に、白い渦を巻いていた。