후리가나로 읽는 일본 고전
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
国枝 史郎의 娘煙術師(むすめえんじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 267,766자 · 530화면
お狂言師の家
「おッ、死骸だ!」とうめくようにいったが、代官松はしゃがみ込んで、その死骸を調べようとした。しかるに引きつづいて意外なことが、代官松の眼前で演ぜられた。覆面の武士の一群が、どこからともなく走って来たが、代官松を押しのけて、男の死骸を運びかけたのである。
「やい、こいつら! 待て! 曲者!」
そういった代官松の怒った顔を一人の武士がのぞくようにしたが。「おお貴様は松吉か」
「どいつだ! あッ、あなた様方で!」
「今夜のことは人に洩らすな!」で、武士たちは足早に去って、代官松だけが残された。
「今夜は皮肉な厭な晩だなあ」
しかしそういう皮肉な晩も、その後、事もなく明けはなれて、翌日の昼になった時に、麹町三番町のお狂言師の、泉嘉門の屋敷の庭で恋語りをしている男女があった。
お狂言師の家
狂言には三つの流派がある。鷺流、和泉流、大蔵流である。ただし現在では鷺流は滅びて、二流だけになっている。「鷺はなかなか軽妙にして飛び放れたる芸をなし、和泉もまた鷺のごとし、唯ひとり大蔵は堅実なる芸をなせば素人受けなき方なり。さはいえ厳格の中に可笑味あり」これが三流の特色である。しかるに旧幕時代においては、鷺流と大蔵流が幕府方で、和泉流だけが京師方であった。