후리가나로 읽는 일본 고전
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
国枝 史郎의 娘煙術師(むすめえんじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 267,766자 · 530화면
細い美しいその声が、花木で匂う夜気の中を、絹糸のように漂って行く。
さてその日から数日たった。
ここは箱根の山中である。
一人の武士が急いで行く。と、背後から一人の武士が、小走って来てすれ違ったが、抜き討ちに一刀に叩ッ切った。
悲鳴、血汐、それっきりであった。叩っ切った武士は手をのばすと、死骸の懐中から巻き奉書を出した。
「うむ、これでいい。……お届けしよう」で、その武士の走り去った後は、死骸ばかりが残っていた。
日がテラテラと照っている。木々の新葉が光っている。老鶯の声が聞こえている。が、一人の人通りもない。血溜りの中で幾匹かの蟻が、もがき苦しんで這いまわっている。
と、二つの人影が、峠の道へ現われた。
「しまった、姐ご、殺されている。清左衛門様が殺されている」それは変面の小男であった。
「しらべてご覧よ、巻き奉書を」こう叫んだのは娘であった。二人で死骸をしらべたが、巻き奉書のあるはずがない。
「切られたはほんの今し方らしい。切った野郎を追っかけて行こう」
「合点! 姐ご、追っかけやしょう」で、二人ははせ下ったが、追いつくことができるだろうか?
江戸の本郷の一画にりっぱな邸が立っていた。