후리가나로 읽는 일본 고전
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
国枝 史郎의 娘煙術師(むすめえんじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 267,766자 · 530화면
恋を裂く男
と、水銀のような針の光も消えてしまった。鈴江が掌を閉じたからである。
「息使いがむずかしいのでございますよ。長く続けなければなりませんので。……こう胸を張って、こう首を延ばして、腹一杯に息を吸って、それから針を口へふくんで、それから吹くのでございますよ」で、右手を口もとまで上げた。
泉水のほうから嘉門の声で※(歌記号、1-3-28)裏道来いとの笛の音……と、かすかではあるが聞こえて来た。酔いの醒めない謡声である。
と、微風が渡ったのでもあろう、藤の棚から垂れ下がっている、花の房が左右へなびき出した。
「では吹くことにいたしましょう、口もとへご注意なさりませ」
鈴江が針をふくもうとした時に、裏庭のかなたの小門の辺から、鏘然と太刀音が聞こえて来た。
「おや」と鈴江は声を上げたが、馬酔木の叢の裾の辺まで、小走りに走ってうかがった。
「あッ、お兄様が! あッ、大変だ!」
左の手で小褄を取り上げたが、赤い物を纒った白い脛が、裾からあらわに現われるを、恥ずかしく思わなければ気にも掛けないで、鈴江は一散に走り出した。
恋を裂く男
鈴江の耳へ聞こえて来た鏘然とした太刀の音は、ジリ、ジリ、と後へ退く山県紋也を追い詰めながら、ジリ、ジリ、と前へ進む桃ノ井兵馬が気をいらって、翻然として飛び込んで太刀を上げて、袈裟掛けに日の光を割ったの