후리가나로 읽는 일본 고전
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
国枝 史郎의 娘煙術師(むすめえんじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 267,766자 · 530화면
不意に部屋の中を明るめていた橙黄色の燭台の燈火が、まばたきをしたように見てとれたが、紋也が投げ出した刀の鞘が、燈火をはねたに過ぎなかった。投げ出した刀が音を立てて落ちて、のびたように畳の上へおちついた時、その横に膝を突き手を揃えて、かしこまっている武士があった。紋也以外の誰であるものか。
「……やはり……あなた様におかれましては……」胸が苦しく息づきかねたか、こういって来て紋也は絶句した。が、つつましく後をつづけた。
「……父より詳しく承わりました。……ご容貌なり……お姿なり……」また紋也は絶句したが、その代わりにスルスルと膝を進めた。
「たしかあなた様におかれましては……三宅の島でご逝去なされた、大先生に相違ござりませぬ! しかし……どうして……あなた様が……不思議でござります! 不思議でござります!」
そういった紋也の言葉に答えて、老儒者は何かいおうとしたらしく、見台から躯をのり出すようにしたが、にわかに躯を元の位置に直すと、耳傾けるように首を傾けた。
屋敷の門のある方角から、お粂と鈴江との叫ぶ声が、甲高に聞こえて来たからであった。
「お屋敷の方々ご用心あそばせ! 代官松の一味の者が!」